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Interview : 魚山皓平(HOPE/愛媛県宇和島市)

2025.12.06

地元愛媛に戻りMMAへの転向 PRIDE・山本KID選手・直撃我聞

魚山皓平(HOPE・愛媛県宇和島市)・2025年10月26日プロ修斗香川大会FORCE22

地元の先輩、直撃我聞さんのジムHOPE

―― そこから地元に戻って、MMAにはどういう経緯で?

柔道も、社会人で楽しくやるカテゴリーもあるんですけど、結局、色々あって地元に帰ることになったんですよね。
地元では、水野先生(水野直宏さん。現役時代のリングネームは直撃我聞。現在所属するHOPE会長)が僕の先輩で、当時「直くん」って呼んでて、小さい頃から知っていました。うちの母親がスーパーでたまたま水野会長と会ったとき、「皓平が帰ってきたら、ジムに遊びにおいで」って直くんが言ってたで!って。

―― なるほど、もともと、水野会長とはお知り合いだったんですね。

そうなんです。それで、今度、いついつに行かせてもらいますって連絡して。それが2022年3月くらいでしたかね。
柔道は地元の道場で教えてたりしたんですけど、そんなにガチでやる感じじゃなかったし、HOPEでもキックとかボクササイズしたり、体を動かすつもりで入ったんですけど、当然、MMAもやってるじゃないですか。見てたら、あれもやってみたいな、って。

「直くん」こと、直撃我聞選手(右)。現在、UFC参戦中の堀口恭司選手とも対戦。

山本KID徳郁選手が好きすぎて

―― もともとプロになろうと思ってとか、そういう感じではなかったんですね。

もともとPRIDEとかを見ていて、昔からMMAは好きだったんですよ。僕が中学くらいの時に山本KID選手が大ブームで。友達と写真集を買ったり。それを見ながらだったら、筋トレも出来ました(笑)。それくらいKID選手が好きで、当時の携帯電話の待ち受けもKID選手でしたね。

―― そこまでKID選手の影響力があったとは。…ちなみに、直撃我聞は知っていた?

プロの格闘家でやってるというのは知ってましたよ!でも、直くんが、「直撃我聞」という名前と自分の中で結びついてなくて、「え、これ、直くんなの?」って思った記憶はあります(笑)。いや、「直」しか合ってない!って。

―― 確かに、リングネームからは想像つかないですよね。でも、色々なご縁でHOPEでMMAを始められたと。

はい。HOPEに入ったのはそんな感じだったんですけど、どうせやるなら、試合にも出ようかなって思ったところに、アマ修斗もあるから出てみない?と言われて始めた感じですね。
だから、最初はプロになる気も全然なくて、運動不足を解消して、楽しくできればいいか、という感じで。

―― 柔道をそこまでやりこんでいた人からすると、経験の浅い選手も多いアマチュア修斗は易しかったんじゃないですか?

易しくはないです(笑)。事実、僕は最後は全日本アマ修斗ベスト8で負けたし。やっぱり、打撃が難しくて。なんか、脇を締められなくて、もう笑われながら練習していました。今でも、笑われますけど(笑)

堀口恭司選手…のようには行かず

―― 相性もあるでしょうが、凄く良いジムに入ったんですね。

はい…あ、そうだ!堀口選手が、高校で反対を押し切って、山本KIDさんのいるKRAZY BEEに飛び込んだ、みたいな話があるじゃないですか。あれ、僕も、高校の時に、KID選手が好きすぎて、高校の進路相談で、「柔道辞めて総合格闘技をやってみたいです。」って言ったら、怒られまくって(笑)。「すみません、大学行きます。」って、僕が折れました。

僕もKID選手のところに飛び込みたいなって心の中で思ったんですけど、親に言ったら当然反対されるし。卒業間近のこのタイミングだったら、先生に言っても行けるかな、と思ったけどダメでしたね(笑)。

―― 堀口選手のようには行けなかった(笑)。

大学卒業するときも、就活ありますよね。その時も、総合格闘技をやりたいなって思ったけど、現実を見たんですよね。皇宮警察から声がかかって、1回は断ったんですよ。多分、警察は向いてないな、というのもあって。でも、もう1回お話をいただいて、せっかく声をかけてもらったのだから行こうか、という感じで。

―― 環境的に、なかなかMMAに飛び込むのは難しかったんですね。

柔道の最後は怪我で不完全燃焼で、地元に戻って。そうしたら、HOPEができていて。色々あったけど、タイミングが凄く噛み合ったという感じですね。

ちなみに、皇宮警察とは?

―― ちなみに、就職された皇宮警察というのは、宮内庁の組織なんですか?

いや、警察庁の直属機関ですね。

―― 皇宮警察に勤務していたという話は聞いたことがなくて。

そうですよね。皇宮警察からプロの格闘家っていないんじゃないですかね。

―― 具体的な職務というのはどんな感じですか?

基本的には、警備と護衛があります。皇居とか御用邸とか御所とか、そういう場所の「警備」ですとか、皇族の方に専属でつく「護衛」という感じです。ただ、僕は、武道採用試験で入ったので、1年目は警察学校で、2年目からは柔道が仕事という感じでしたね。当直や、新年一般参賀のような大きな行事の時には、僕らも警備につきますが、基本的には柔道をしていました。

―― 皇居の中に武道場があるんですか?

はい、済寧館(さいねいかん)という歴史のある武道場があります。
https://www.sankei.com/article/20240120-VZY3UQTWBVKZLCAEVTSFKVNEIE/

ただ、エアコンなしで、冬は極寒、夏は灼熱でしんどすぎて…。特に真夏は何もできないぐらい暑かったです。あとは、警視庁の道場や神奈川県警なんかにも出稽古に行ってましたね。

―― 先ほど、「皇居からタクシーで行きます」って連絡がありましたが?

東京に来たら、急に後輩に呼ばれて、朝から練習をしてきました(笑)。

―― 皇宮警察という職業自体、余り知らなかったので、色々勉強になりました。

現役を引退したら、普通の警備か護衛に戻るんですけど、僕の場合は、ちょっと合わないなという思いもあって、やめようと思っていました。ただ、「柔道は現役引退しました。すぐ退職します。」というのは、ちょっと体裁が悪いかなと思って、1年は所属したんですけど。

―― 武道採用の枠で入って、現役を引退しても、別に皇宮警察自体は辞める必要はなかったんですね。

はい、むしろ基本的には残るのが普通で。でも、僕は、やめることにして、結果的に地元に帰ることにして、HOPEに出会えたと。今は、毎日、楽しくやれているので良かったです。

山本KID選手に憧れて、MMAを目指したいけれど、なかなか踏み込めなかった一歩。個人的に皇宮警察のことを伺いたくて、最後に差し挟ませていただきました。次ページでは、HOPEでの練習の様子や、四国での練習環境なども伺います。

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