toggle

Interview : 斎藤 裕(パラエストラ小岩)|「だから、今回も大丈夫だと思います。」

2026.01.20

今回は、元RIZINフェザー級王者・元修斗フェザー級王者の斎藤裕選手にお話を伺いました。といっても、話の大部分は、麺ZINさいとうの1周年を記念してのお店の話がメインです。それは、noteのほうにアップしてありますので、ぜひ、ご一読いただければと思います。

ここFIGHTMEMOでは、残りの時間を使って、格闘技のお話を伺いました。ご存じの通り、2025年末のRIZINの試合は中止。その件に触れつつ、今回の試合のために取り組まれた沖縄での練習、調整、そして、松根さんのことを中心に軽く伺いました。

 

大晦日のRIZN欠場について

―― さて、2025年大晦日のRIZIN出場予定でしたが、対戦相手のYA-MAN選手の怪我により、試合中止となりました。そのあたりの経緯は、斎藤選手のYoutubeなどで既に色々話されていると思います。改めて、簡単にお話をきかせていただければ。

そうですね。本当は大晦日に試合してっていうところだったんですけど、なかなか難しい状況で実現できなくて。直前で、僕もガクッと落ちて。試合は、相手あってのものだから、自分一人では何にもできないですし。

直前で試合が中止になり申し訳ごさいません

昨年はありがとうございました。今年も宜しくお願いします。

―― このインタビューも、本当は、「大晦日に勝って、笑いながら楽しく話を聞かせてください。」ってお願いしていたものでした。ファンとしても、非常に残念でしたが、こればっかりは、という感じですよね。

けれど、まぁ、今年試合することは決まっているので。

―― おお!

できれば関東の大会に出たい…ところではありますけど、まぁ、RIZINのスケジュールがまだ決まっていない部分もありますしね。いつ、どこでというのは、自分だけで決められるものでもないですし。

―― そうですよね。試合時期も、会場も、対戦相手の候補も、試合結果で流動的なものでしょうし。

だから、また沖縄にも行きますし、松根さんと定期的にコミュニケーションを取りながら、色々相談してやっていこうと思っています。

最高に順調だった沖縄での練習・減量・調整

―― 松根さんのお名前が出ましたけれど、今回は試合に向けて、THE BLACKBELT JAPAN 那覇で長期トレーニングを積んでいたと聞いています。個人的に、斎藤選手と松根さんの組み合わせって、相性ばっちりだな、という思いがありまして。

はい、松根さんには良くしていただいて、本当に上手くはまっているなと思いました。

―― 松根さんは、スタンドから組技、寝技への展開、四つ組みからの攻め方など、現代のMMAの王道を打ち立てたような人で、ファイトスタイルが斎藤選手に完全にはまるな、と思っています。

ですね。MMAの勝ち方の基本を確立した松根さんの技術は、自分に凄く合うんじゃないかなというのは感じていました。平良選手の活躍を見ていると、やっぱり松根さんの指導力って凄いな、と思っていて。

―― やっぱりそうですよね。

今回、試合が決まりそうだな、というタイミングでパッと思い浮かんだのが、できれば、沖縄で長期キャンプしたいな、やった方が良いな、ということで、すぐに連絡を取って。

「今すぐ来なよ!やろうぜ、一緒に!」

すぐに、そういう風に人をやる気にさせる、いかにも松根さんらしい温かい言葉をいただいて。救われますね。

―― 松根さんなら、そう言ってくれそう!松根さんは、技術の指導力とともに、モチベーターとしても超一流ですよね。

凄く頼れる…頼りがいがあります。ああいう先輩は絶対持っておくべきだなって思います。

―― 斎藤選手は、段々、選手同士の練習の度合いが増えて行ったと思うんですけど、松根さんのように、専業の指導者らしい指導者に見てもらうというのは、やっぱり違うものですか?

やっぱり、ちゃんと見てもらって練習する。その中で指摘してもらって、改善していく。基本的なこともやる。実戦的なこともやる。コミュニケーションをとりながら、しっかり練習できましたね。

―― なるほど。

2週間沖縄に行って、ボクシングの練習があるので、毎週帰ってきたんですけど、次の2週間は、東京でプロモーションとかメディカルとか取材とか、諸々を全部すませて。
最後の仕上げで、もう1週間、沖縄に行ったんですけど、本当に良いメンバーをチョイスしてくれて。地力を上げる練習の時には、けっこう重めの選手を用意していただいて、技の確認のときには、ちょっと軽めの人を選んでいただいて、何回も繰り返しやってもらってとか。松根さんが見てくれている中でやれたので、技術とかグッと上がったんですよね。

―― 初めての試みの中でも、充実していたんですね。

自分も手応えがあるし、やっぱり、こういう練習しなきゃダメだな、プロなら、これくらい練習しないとダメだな、って思いましたね。自分の中で、凄く手応えのある3週間になりましたね。行って良かったなって思います。

―― 久々の体作りっていう意味では、寒い東京より暖かい沖縄で良さそうだなって思いました。

夏でしたよ!(笑)体重落ちちゃって!試合の1ヶ月半くらい前に、試合体重まで落ちちゃって。だから、食事もしっかり食べて、また練習して、食べて、動いて、食べて、動いて、本当に凄くいい循環で。

―― 最高のコンディション作りができていたんですね。

減量ストレスもないし、怪我も全くなくて。食べて、動いて、一番いい体重の落とし方ができたと思います。人生のなかでも、経験として、凄く大事な時間になりました。行けて良かったなって。まぁ、お金はかかりましたけど(笑)。

松根良太という偉大なメンター

―― 松根さんは、セコンドに着く予定だったんですか?

はい。お願いしていました。大内さんの許可も取って。
松根さんに、セコンドについて欲しいんですって伝えたら、「俺が力になれるんだったら、喜んで行くよ!何だったら、行くつもりで準備してたからさ!」って。

―― 痺れる!それは、是非実現したところが見たかったです。

元々、扇久保選手の試合があるときには、練習を見たり激励のために来ているそうなんですけど、(扇久保選手と同大会出場の予定だったので)全部諸々押さえていたらしくて、「大丈夫!」って。頼もしいです。

―― 本当にかっこいいし、頼もしいですね。

松根さんは、自分でジムもやっていて、プロモーターとして自主興行もやっていて、もちろん、UFCで戦う平良君をはじめ、若いプロ選手も育てていて。もう、本当にキャパシティが凄いっすね。

―― 練習、調整はもちろんですけど、沖縄に行って、人生の刺激を受けたような感じですね。

僕も松根さんと話していて印象深かったのが、人生幸福論で。

―― 「人生幸福」。松根さんの信念、モットーとして、よく語られている言葉ですね。

そうそう、「お前にとっての一番の幸せってなんだ?」と。この先っていうのを、こう、凄く考えさせられましたね。松根さんは、ジムの指導とか、選手の育成とか、ジムでやることが自分にとっては天職で、これ以上の仕事はないから、これを全うするよ、って。

―― なるほど、本当にそう見えますね。

帰りの飛行機の中で、俺にとっての天職って何なんだろうな、人生ってなんだろうな、っていうのを考えながら帰ってきましたね。

―― 斎藤選手ほどのキャリアで、それも終盤にさしかかってきたところで、本当に良いメンターと出会えた、組めた、というのは凄いことですね。凄く刺激にもなりそうです。

もう一つ、凄く良い話があって。試合のことで松根さんに連絡したんです。

「実は、今回、試合がダメになりそうなんです。」
「マジかー!ダメに決まったのか?」
「まだ、色々話し合ってて…」
「でもさぁ、これ、俺の考えなんだけど、もっと練習時間が増えたと思えばさ。もっと強いお前を送り出せる自信があるわ。今の2倍くらい強くさせる自信があるからさ、また一緒にやろうよ!

そんな風に言ってくれて、温かいな…って思いましたね。最後も、「ちょっとどうなるかわからないけどさ、逐一連絡しあって、やっていこうよ!」って。

斎藤裕は、再びRIZINに戻ってくる

―― めちゃくちゃ頼もしいです。そんな風に言ってくれる人と一緒に、今年、もう1回、試合に臨む姿を見られるんですね。

そうですね。今もちゃんと練習しているんで。もちろん、お店のこともありますけど、ちゃんとグッドシェイプを保って。節度を持って、その時まで過ごそうとは思ってます。

―― それは、ファンとしては、安心するし、嬉しいし、燃えてきますね。楽しみです。

はい、みんなが待っているんで。ちゃんと、やるべきことをやった後ですね。

―― 心から、その時をお待ちしてます。今日は、長らくありがとうございました。

あとがき

今回の試合がなくなった時、斎藤選手のキャリアを振り返って、2016年の修斗で、対戦相手だった外国人選手が、契約上の問題で出場できず、対戦相手が4日前に変更になったことを思い出した。
さらに、2020年には、新型コロナ禍で、チャンピオンシップの対戦相手がオランダから来日できず、10日前に対戦相手が変更。ついには、大会二日前に大会そのものが中止になったこともあった。
そして、今回の試合中止。一人の選手に、試合直前にこういう混乱が3回も訪れるというのは、あまりにも多いし、あまりにも不遇。全て、自分の外に理由があるものだ。理不尽すぎるではないか、と問いかけたところ、こう返ってきた。

「でも、あの時(2020年3月)は、修斗で防衛戦はできなかったけど、その後、RIZINに参戦して、朝倉選手にも勝って、初代チャンピオンになる未来がありました。この結果を、よりいいものにしていく、っていう考えを持っています。時間は戻らないので。だから、今回も大丈夫だと思います。

「だから」今回も大丈夫だと思います。
その境地に至るまでは、怒りや不信や葛藤など心の動揺もあったと思うけれど、今は、それをすべて乗り越えている。そう言い切れる姿が、心の底から、カッコいいな、と思います。
次戦は、いつになるかはまだわかりませんが、松根代表の助力も得て、より強くなった姿での復活をお待ちしております。

 


斎藤裕 on SNS

Instagram / X / Youtube

 

麺ZINさいとう

Instagram / X / Google Map / 食べログ

Special thanks / 写真提供

marico from EVERGROUND