Interview : 嶋屋 澪(SISU MMA & BJJ) PART 2
第1部では、嶋屋選手の幼少期から、空手、キックボクシング、MMAへと移行して、プロ修斗デビュー戦までを伺いました。
ここからは、現在参戦中のインフィニティリーグについてお話を聞き、さらに、その先へと思いを語ってもらいました。率直に言って、痺れました。カッコいいと思います。
2025年度女子インフィニティリーグに参戦
高本戦
――― そして、女子インフィニティリーグはスーパーアトム級で開催されて、そこに参戦ですね。
Fukky選手との試合で50kgでできたところに、インフィニティリーグをやるけど、どうですか?と声をかけてもらって、出ます!と。
――― 一戦目は、高本千代選手でした。やられましたね…。
ボッコボコに行かれましたね。1ラウンド目でマウントを取られてバックを見せながら逃げたところを腕を取られて、ひっくり返されて。もう固められていたので腕が抜けない状態で。
で、こっちの腕でタップしなかったから、今度は反対側の腕でって狙ってきた感じでしたね。
――― 見ていて、もうダメかと思いました…。
何か、意外と極まらないポイントみたいなものがあって、自分は耐えられましたね。痛いということもなくて。
――― えー、ホントですか?
はい、土曜日に試合があって、キッズクラスのインストラクターをさせてもらっているんですけど、それも月曜日には復帰しました。パウンドをもらったので、ちょっとだけ頭がクラッとしたんですけど、それでも練習に復帰できて。
――― やっぱり、高本選手はキャリアもあるし、強かったですね。
強かったですね。でも、何としても大きい点数を上げたくなかったんで。KO、一本でめっちゃ点数はいるじゃないですか。それだけは絶対嫌で、タップだけはしないって決めてました(笑)。
――― そして、初戦、2戦目は6月、7月と連戦ですね。減量など体調面は大丈夫でしたか?
6月がけっこうきつくて、計量前日にだいぶ残っていたので、やらかした!と思って、朝から汗出しして、色んな人に協力していただいて、半身浴もやったり。当日も、脱げるものは全部脱いで、ギリギリクリアできたんですよね。だから、もう、こんな思いはしたくない!って、7月は水抜きなしで準備しました。
――― 相当、日常的に節制して、調整して挑んだんですね。
連戦で余り増えなくもなりましたね。アマチュアの時は、当日計量で一週間前まで5kgくらい残っていたりもしたんですけど、今日(試合2週間前)で、もう2,3kgというところまでいけてます。
――― 今、お話を聞いてるお店で、お蕎麦を食べながらで本当に申し訳ないのですが、くれぐれも減量にはお気をつけてください。
2戦目 erika戦
――― 6月の新宿大会が終わって、すぐに後楽園ホールでerika選手との第2戦ですね。
もう、ボッコボコにKOされるのを覚悟して突っ込んだら、まさかの自分の左ストレートが先に当たって。
でも、そのあと7分ぐらい首相撲で漬けられてましたけど。
――― あのパンチは得意なものなんですか?
そういうこともなくて、セコンドから、一発目、大きいのを放り込んでいけ!という感じで打ったものですね。自分が思ったより、erika選手が内側におったんですよね。もっと外を取って、前足と前足が重なるぐらいのところにいて、こっちが伸ばさないと当たらないだろうなと思っていたら、内側の近いところにいて。それで、蹴ってきたタイミングでガツンと当てられた感じですね。
――― あの試合は、いきなりクライマックスが来たな!という感じで見ていました。
でも、そのあとのパウンドが下手すぎて、弱すぎて(笑)。なかなか、練習で人にめっちゃパウンドってしないじゃないですか。どうしたら良いんだろうと思いながら、パウンド打ってたんですけど、すぐ立ち上がってきましたね。
――― erika選手のキックボクシングの実績はご存じでしたか?
自分もキックをやってたんで、見ていたんですよ。大阪の会場でミネルバの大会を見に行ったこともあるし、RISEの配信も見ていたし。むしろ、サウスポーで、顎を引いて、ガンガン前に出て行くって感じでしたから、真似していた、くらいまであります(笑)。
――― なるほど、想像以上にerika選手のことはご存じだったんですね。
全日本アマ修斗の時に、「MMAに転向してくるんや!」と知って、フライ級で出ていたと思うんですけど、プロになったら落としてストロー級くらいでやるのかな、当たりたくないな…と思っていたら、まさかの同じリーグ戦になりました(笑)。
――― アマ修斗でも倒しまくって、erika選手も強いですよね。
あれだけキックの実績があるのに、いきなりプロで組んでもらうのでもなく、アマ修斗で一からやり直してくるところが凄いなと思いました。
――― でも、その強いerika選手に勝つチャンスもありましたよね。
もうちょっと頑張れたら良かったんですけど。体も強かったですね。首相撲も、フィジカルが強いのか、組みのポイントを押さえるがうまいのか、起き上がることもできないし、剥がすこともできないし、あのあと1週間くらいむち打ちみたいになりました。徹底して首相撲をやられましたね。
――― セコンドの松根さんも、自分のところの選手のストロングポイントを把握して、攻めてきますよね。
そのあと、悔しくて、髙橋一眞(TRIANGLE/元NKB王者)さんに首相撲を教えてもらいました。やられて嫌だったことはやり返そうと思って。
次戦 9月21日の村上彩戦
――― それは凄い。ガッツが素晴らしいです。そして、今度の9月21日が村上戦ですね。対策などは立ててますか?
絶対組んでくるから、組ませたくないですよね。
――― インフィニティリーグ開幕戦での村上選手とerika選手の試合もご覧になったと思いますが、凄かったですよね。フィジカル差は大きかったと思いましたが、やはり、柔術が強くて。
柔術が強いのは、片山さんからも腕十字を取ってましたしね。でも、思っていた以上に、ムキムキだなって思いました。
――― 筋肉女子って名乗るのはだてではないですよね。組みの村上選手と、打撃の嶋屋選手で試合は面白くなりそうですよね。
綺麗に打撃で打ち合える試合は噛み合うんですけど、村上選手は、勢いで出てこられるんだろうなと。
――― 村上選手は打撃で仕留めると言うよりは、寝業に持ち込みたいという感じだから、逆に難しい感じなんですね。
それで、寝業は何を狙って来るんだろうって思っています。足関節なのか、腕なのか。高本選手と自分の試合を見ていたら、自分が腕が柔らかいのは知っているだろうから、狙ってこないかもしれないし、三角絞めなのか…。
――― そういう対戦相手の対策は、かなり準備するタイプですか?
前の試合を見て、こういうタイプの選手なんだなとかは研究します。erika戦も色々研究したんですけど、めちゃくちゃ首相撲でやられました。
――― SISUの岸本代表は、そういう研究もされるタイプですか?
めちゃくちゃ細かいです。クセとか、技の連携とか、時間帯も分析して、パターンも細かく分析されていて。それもあって、SISU所属ではない選手のセコンドにも入ったり。
――― では、次戦の村上戦の意気込みを!
勝ちたいです!まだプロで一回も勝てていないので、勝って、メダルが欲しいです!
フィジカルも強いと思うんですけど、そこでも負けたくないですね。
最終戦 片山智絵戦
――― そして、先になりますが、女子インフィニティリーグ最終戦が、片山選手ですね。
片山選手も強いです。デビュー戦が村上選手、元チャンピオンが相手で、普通にやり合ってましたからね。自分はやりにくいんじゃないかと思っています。MMAがしっかりしているという印象で。試合が決まるまでは、一緒に練習していましたし。
あと、お兄ちゃんとお兄ちゃんの奥さんがいて、みんな強いですね。
――― 片山選手との最終戦も、非常に楽しみですね。
11月16日の後楽園ホール大会ということで発表されていますね。
――― 片山選手も大阪なので、せっかくだから、翌週のゴリラホール大阪大会でできるといいですね。地元のお友だちや仲間も応援に来てくれるでしょうし。そこは、erika選手が沖縄大会での実施をアピールしたみたいに、村上選手との試合に勝って、マイクでアピールしてほしいです(笑)。
実は、その沖縄大会も出てみたいんですよね。自分の兄の奥さんが、沖縄の方なんですよ。それで、沖縄に親戚もおるし。あと、妹も沖縄在住で、旦那さんも沖縄で仕事されているし。
さらに、新極真会の北九州本部道場で小さい頃から15歳まで教えていただいた先生も、沖縄に道場を開いて師範をやられていて。もし、沖縄大会に呼んでもらえたら、恩師、師匠にも見に来て欲しいんですよね。そこでerika選手にやり返したいです。
――― それだけ沖縄に縁があったら、沖縄大会にも出場したいですよね。松根さんにアピールした方が良いですね!
マッチョザバタフライ選手も、沖縄大会よく出場されてるから、私も一緒に行ってみたいです!マッチョさんも、土曜日の夜に稽古をつけてくれたり、リカバリーの焼肉にご一緒したり、よくしていただいているので、一緒に出たいですね。
――― マッチョザバタフライ選手も、今、男子インフィニティリーグに二度目の参戦中です。凄い選手ですよね。
本当に強いし、ファッションから個性溢れていて、凄いです(笑)。
シングルレッグや、バックのエスケープとか、ちょっとした細かい技術、自分の知らないことを丁寧に教えていただいて。そういう風に考えてやらないといけないんやって。
――― キャリアのある選手が、自分の技術や経験を伝えてくれるのは、ありがたいですよね。
もう打撃のことで頭がいっぱいやったから、周りに助けられていますね。コブラ会の名田選手が、SISUに週2回くらいインストラクターで来てくれていて寝業とかを。打撃も、シュートボクシングの川上叶選手がインストラクターできてくれて、サウスポーなのでよく教えていただいてますね。
岸本先生のおかげで、色々な繋がりがあるという感じで、助けられていますね。
インフィニティリーグ後の展望
――― 片山選手とのリーグ戦の最終戦が終わると、予定されている試合は終わりますが、そこから先の展望というものはありますか?
できたら、年内か年明けにもう1試合くらい組んで欲しいですね。
――― 12月にCOLORSもありますが、期間が短すぎますかね…。
いや、リーグ戦を怪我なく終えられてたら、行けますよ!体はそのままで。ただ、グラップリングマッチとかは苦手なんで、それは難しいんですけど(笑)。
――― その勢いなら、強くアピールすればチャンスはありそうですね。
実は、今、丸1年ほぼ仕事してなくて、貯金で生活しているので、そろそろ仕事を増やさないと行けないなと思っているんですけど。なかなか、非日常に魅了されすぎて、現場に戻れないですよね。
今は格闘技に捧げる日々
――― 確かに、お仕事と格闘技のバランスを保つのは、本当に難しいですよね。
バイトするか、看護師として病院に戻ってしまうと、週4日前後の昼間が潰れてしまうんですよね。そうなると、今みたいに、高いモチベーションを保って試合に向けて準備をするのが難しいかな、とも思っていて。
本当は夏くらいから仕事を探そうと思っていたんですけど、プロデビューも決まって、リーグ戦も決まったので、貧乏でも、今は格闘技に捧げようと思って頑張っているので。
――― 生活の全てを賭けて、貴重な時間を投じて、インフィニティリーグに臨んでいるんですね。
でも、これだけ、仕事もしないで練習しかしていないくても、なかなか勝てないんやな、というのが現実で。この2戦で勝っていたら、たぶん、またちょっと違っていたと思うんですけど。
――― 何とか、モチベーションが高い今のうちに試合を重ね、勝利を重ねていきたいですね。
結局、多分、ガンガン試合ができて、練習ができるのは20代かなと思っていて。20代に打ち込んで、しっかりやってきた人が、30代になってからも戦えていると思いますし、選手生命が長い人はそうだと思うので、自分もそうなりたいです。
圧倒的に強さがほしいです。強さがモノを言う世界にいるので
――― 修斗以外の舞台で、世界に挑戦したいとか、そういう思いもありますか?
いずれ海外で試合をしてみたいです。
――― 世界を見据えたうえで、選手として、強さを求めるか、人気を求めるか、という選択をするならば?
強さです。圧倒的に強さがほしいです。強さがモノを言う世界にいるので、強さが欲しいです。
格闘技をやっている以上、格闘技で強い選手だという理由で人気になりたいですね。
やっぱり試合を見てもらって、こんな選手おるんや、強いな、と思ってもらえた方が嬉しいですね。自分は強さが欲しいです。誰でも良いから、試合を組んでもらって、勝つ気で立ち向かいたいです。
――― めちゃくちゃ頼もしい!
今は、寝業はめちゃくちゃ課題で、MMAスパーでも、どうしても、得意な打撃の方を押しちゃうんですよね。練習で男子を相手にすると、押されて得意なことしかチャレンジしなくなってしまうんですけど、寝業も強化しないとなとは思っています。
試合を重ねていくごとに、自分は、あれができるようになった、これができるようになったっていうことが増えていって、今は、めっちゃ楽しいんですよ。だから、どんどん場数を踏みたいんです。
もう、自分は強さが欲しいです!
――― ありがとうございました。強くなりたいという気持ち、格闘技に、今回の修斗のインフィニティリーグに賭けている気持ちが凄く伝わってきて、熱くなりました。お話を聞けて良かったです。頑張ってください!
最後のコメントを読んで欲しいのですが、「強さです。圧倒的に強さがほしいです。強さがモノを言う世界にいるので、強さが欲しいです。」と、即答でした。ここは、聞いていて痺れました。男子でもハッキリそこまで言い切れる選手は、決して多くないと思います。本当に、格闘技にかけているんだなと伝わってきました。
看護師という大事な医療職の資格を手にして、格闘技に人生を捧げているし、本気で強くなることを目指しているという気持ちが伝わってきました。リーグ戦はまだここから。9月21日のニューピアホール大会での村上戦からの活躍に期待しています。
<嶋屋澪選手>








